進入時のテールスライドが必要な理由 その4 フロントゴケの仕方
進入時のテールスライドが必要な理由 その4 フロントゴケの仕方
減らないフロントゴケ
第2戦のFP(GRAN PREMIO MOTUL DE LA REPÚBLICA ARGENTINA MotoGP Free Practice Classification 2016)を見ましたがやっぱりフロントゴケに悩まされているライダーは多いようですね。
そんな中、Eugene LAVERTYの完璧すぎるオーバースピードで見せたフロントゴケは、フロントタイヤに特段変な動きはなく十分な仕事をしていたと思われ、フロントタイヤそのものに問題はなさそうでした。
ということは、原因はタイヤそのものと見るより、マシンのセッティングやライダーのライディングに原因があると見る方が、とりあえずは手っ取り早いのではないでしょうか。
少なくとも、それで何らかの対応をすることで、ゴケ率が減るのであれば吉報ですよね。
まずは自力で解決してみましょう。
何しろ、レーシングライダーはまだしも一般ライダーはより深刻です。
彼らはリソースたっぷりなので「フロントから転ぶ」とか訴えれば、タイヤメーカなりメカニックが何かしらの対策をしてくれたりするし転ぶのが仕事だったりするからまだしも、一般ライダーは曲がるたびに転ぶわけにもいかず、おいそれとタイヤやパーツ交換をするわけにもいかない事情があったりします。
なので結局は他力本願ではなく自力での解決が重要となるのです。
ペドロサの存在
ところで、このサイトでは度々ペドロサ推しの発言をしていますが、今年こそペドロサがキーマンだと思っている理由を少し。
今回のようにタイヤやら電子パーツやらその他もろもろ、いろんな変更が重なった場合は、各受け持ちのスタッフが寄り厚真って情報収集や仕様変更やらライディングでの対応などのすり合わせを行うのでしょうが、全部が全部数字で管理できないのがモータースポーツの辛いところですね。
結局はライダーのインプレッション頼りな面があり、そのライダーが正しく認識することと、正しく伝えることが非常に重要になってきます。
もちろんマルケスだってロッシだってロレンソだったりストーナー、その他往年のレジェンドだって、感じて伝えることにかけては一流でしょう。
ただ、彼らのインプレは使い回しが出来るほど汎用性が高いかどうかという点で疑問符がつきます。
才能や、個性や、余計な欲や、体軀の特徴や、好き嫌いや、出し渋りのため真実が見えにくいと思われるのです。
その点でペドロサは奇跡の優等生と思えるのです。
ホンダのやりたがっていることに関してこれ以上ないライダーであり、そのホンダが持っている豊富なリソースで鬼に金棒状態だと思うのです。
今年は、その鬼に金棒に立ち向かう個性豊かな桃太郎たちって感じという図式でしょうか?
もちろんペドロサが調子いいってことは、マルケスがチャンピオンになるということになりますが…
閑話休題
フロントゴケの仕方
もしも「やろうと決めたことは必ずやれる」という幸せな人は「フロントゴケしない」と決めれば済むことですが、世の中そんなに甘くありません。
同様に「フロントゴケしない方法」というのは通常まゆつば物だったりします。
なので、「フロントゴケをする方法」これならできそうですね。
そして「フロントゴケする方法」をやらなければゴケ率が減るのではないか?という目論見です。
ただし今回は「以前に比べて」という前提付きで進めます。
さらに便宜上以前との違いはリアタイヤの形状が変わったことのみとします。
もちろんもっとたくさんのファクターがあるのですが、たったこれだけでも簡単にこけてしまうという例にでもと思ってください。
タイヤの形状が違うということ
フロントタイヤとリアタイヤでその形状が違うということでマシンの特性はより複雑になってきています。
其の内今回はタイヤの接地面とバンク角の中心点に関してその特性を見てみましょう。
タイヤにトレッド幅、太さがある時点で地面とタイヤの接地点と、バンキングする時の円弧の中心点は同じではありません。
中心点は地面の下に存在します。
したがってバイクがバンキングするということは路面の進行方向から見て横に動いているようなものです。
このことからフロントタイヤとリアタイヤでタイヤの太さと形状が違うということは前後で先の中心点が違うということです。
フロントタイヤよりリアタイヤの方が太いのであればリアタイアの方が横運動の量が多いということになります。
(加えてフロントタイヤは、ステアリング量によってトレールやらキャスターやらの影響を受けますがここでは無視します。)
この差分により、単純にバンキングするということはバイクの向きが旋回方向とは逆に向く事になります。
と、そんなこんなを含めてセッティングをされてマシンが仕上がるわけです。
これが標準となるわけですが・・・
そこにライダーが好き勝手にライディングして好き勝手なインプレをこぼすわけですね。
当然前乗り後ろ乗りによって感じる印象は全然別物になるでしょう。
それぞれの地以外をまとめてみましょう。
前乗りの印象。
特徴というよりは感覚に近いので特徴ではなく印象でまとめてみます。
- フロントのバンキングにリアが付いてきてくれなく感じます
- 後ろから押される感じが強くしたり、慣性を感じたりします
- ステアリングの舵角より旋回性が良い、カウンターステア的に感じたりします
対して後ろ乗りはというと当然逆になるわけですが…
後ろ乗りの印象
- バンキング自体が重く感じる
- 疲れる
- フラフラする
- 前後共接地感を感じにくい
- フロントが逃げる感じがします
- フロントが頼りなく感じます
- フロントが切れ込む感じがします
- フロントゴケしそう
印象と特徴
加えて、前乗りの印象と後ろ乗りの印象とは別次元で、前乗りの特徴と後ろ乗りの特徴というものが存在します。
言えることは印象と実際の挙動や特徴は異なるということです。
「怖くても早くて安全」という乗り方が存在し、それは往々にしてライダーがトライをしていない時もある、のです。
コケ方
ということで本題のコケ方として、例えば次のようにやってみてはどうでしょうかと提案してみます。
- 後ろ乗りの特徴である、そのままでは早く走れないので、高等テクニックを使う必要があるところに普通のテクニックだけで速く走ってみる、
- 以前のセッティングのまま同じタイム感で走ってみる
フロントゴケ対策
というか、そのまま乗ったらダメでしょうということをいい為に延々かいいてます。
ということで、フロントゴケ対策は、とりあえず走法を変えるのが先ということです。
最初にすることは、そのタイヤセットで一番速く走れる、走法を見つけることです。
前と同じ乗り方でその違いを述べるやり方がダメなのは双方にとって情報が少なすぎることです。
だから本当はテストを公開するような販促活動には乗っからない、じっくり攻めるやり方が結局最短コースになると思います。
適切な状態でない時に無理やり頑張っても、間違っても100点にはならないので、結局二度手間と言われてしまいます。
そういう意味でトップライダーのコメントの通り、テストに意味はないっていうのが正解です。
もう少し具体的な方法を書いてみます。
順操舵する
そもそも、下手に操舵しないで、様子を見るのが先だ!とか言われそうですが、それは当たり前で数週で済ませてしまいましょう。
そして、逆操舵ではなくて、順操舵です。
逆操舵は、狙ったアクションが起きるまでに時間がかかるので、今日日の高次元な走りにおいては極力順操舵で考えた方が適切な操作になります。
操作してから、どう動くか様子をしばらく見てみるなんて手法はさっぱり捨てることです。
たとえ、世間一般に言われている逆操舵という操作も視点を変えれば順操舵です。
ということでその順操舵をします。
変更前後でのマシン挙動の違いをステアリングで補ってみるのです。
このやり方が間違いだと思う暇があったら、それよりもまずやってみることです。
そして、慣れていないといきなりできないかもしれないので日頃の修練の成果を発揮する場面でもあります。
操舵で済ました方が良い理由は、特にブレーキング時から進入時付近でのマシンの姿勢が今までのベストとは大きく違っているだろうからです。
そこで突き出し何ミリなんてナンセンスだからでしょう。
同様にライディングフォームとかを大きく変えてしまうのもなんです。
マルケスが以前に比べ思いっきりバイクを起こしてコーナリングしていますが、これも今はいいけど、長い目で見ると無駄だったり回り道なような気がします。
きっと、しばらくして気がついたら以前と同じようなフォームでコーナリングしていると思います。
再びステアリングダンパー
ここでもステアリングダンパーは、一旦邪魔なので弱くするなどの見直しが必要です。
そもそも、ステアリングダンパーは中程度の動き、変化量のときか、最強の変化量の時の2カ所のポイントでセッティングすると思うのですが、今はどっちも適切なダンパー量にはなっていないと思われることと、ダンパーのセッティングなんかに構っている暇がないと思われるからです。
そんなわけで
中身が薄いですがこの辺で
もちろんこのやり方だけがベストではありませんので…
次回こそ侵入スライドの仕方を






















