基本の基:ダートトラック>コーナリング(パーシャル)
レースの勝敗はパーシャルで決まる!
思ったよりラップタイムが良かったり、逆に悪かったりする時の境目もここにあります。
ダートトラックがわかりやすいので、これで十分練習を積んでみてください。
コーナリング中のリアタイヤの回転の状態には、大別して4種類あります。
便宜上、ここでは路面とのスリップが最小の状態をパーシャルと呼び、
パーシャル時よりリアタイヤの回転数が高いときを前向きと呼び、
パーシャル時よりリアタイヤの回転数が低いときを後ろ向きと呼び、
リアタイヤの回転が停止している状態をロッキーと呼ぶことにします。
ダートトラックの走法で、リアタイヤをロックさせるコーナリングを紹介しました。
次に、リアタイヤへのブレーキあるいはエンジンブレーキによるコーナリングを紹介しました。
同様に、アクセルオンによるコーナリングも紹介しました。
説明していないのが上記以外の状態、すなわち、パーシャルな状態でのコーナリングです。
パーシャルとは、先に定義したように、路面とのスリップが一番少ない状態です。
この状態はスロットルオフではなく、クラッチを切った状態でもなく、
パーシャルに必要な分の惰性、あるいはパワーオンが必要です。
説明はしていないのですが、実は、
ダートトラックでロッキー、または後ろ向きな状態でコーナリングを開始し、
途中から前向きにスムーズに切り替えられるライダーは、
このパーシャルな状態もコントロールできていることになります。
想像できると思いますが、タイヤの理論的なパフォーマンス発揮度では、
ロッキーの状態が一番低く、次に後ろ向きや前向き、そして一番高次元なのがパーシャルでしょう。
上述のライダーは、低次元でも高次元でも変わらずにスライドさせ続けているという高等なテクニックを発揮しています。
習得したいのは、前乗りでも、後乗りでも、パーシャルでも変わらずスライドができること。
次に、その状態で、今度は速度的なパーシャルを基本に、減速するスライドと加速するスライドのコントロールを習得します。
必ずしも段階を踏む必要もなく、いきなりパーシャルなスライドに挑戦するのもよいでしょう。
その際、ひとつ大事なことがあります。
例えば、加速するスライドには二種類あり、実際に加速している場合と、実際には加速していなくてもライダーが加速していると感じるときです。
同様に減速でもでも二種類あり、実際に減速している場合と、実際には加速しているのにライダーが減速していると感じるときです。
これはライダーが、自身の計画・想定した速度・挙動と、実際の速度・挙動に食い違いがあるときに感じます。あるいは体勢的、慣性的な判断ミスからも感じます。
冒頭で述べた、隠れた、あるいは埋もれたタイムはここにあります。
これを正しく認識し前向きに調整することでタイムアップが望めます。
物理的な限界と無縁にタイムアップできるのであれば、これ幸いでしょう。
ここで賢く判断することです。
一番の収穫物はタイムロスがどこで発生するかです。
ライダーの感覚すら頼りにできないことを知りました。
ライダーの感覚や気持ちと裏腹な挙動を選択肢に入れるべきということを知りました。
ジムカーナのコーナリングの説明で、旋回中のタイムアップの必須テクニックについても説明しました(予定:速い理由と技を紹介します)。
そして、どちらでもよいのなら前向きなコーナリングを選択し、収束させていきます。
そのうえで、最後に改めて優先すべきは、タイムアップにつながる走法を選択することです。
パーシャルが一番高次元だからといえ、この状態であれば必ずタイムが良いとは限りません。
高次元な走りが必ずしも区間タイムの速さにつながるわけではありません。
高次元なアクションの前後のタイムロスや、完走率というファクターも計算に入れないといけません。
この時点で今一度、ケーシー・ストーナーの記事を読んでみると、彼の発言の意図がくみ取れることでしょう。

賢さ代表




















