基本の基:ロードレース>ハングオン 下界の走り
雲の上の人のために作られたマシンとタイヤ。
下界の民が形だけを真似するともれなく自爆!
工夫が必要です。
往年のトップライダーのライディングフォームは当然のようにその時代を反映しています。
シュワンツやノリックの独特のフォームはその当時のマシンやタイヤでの必然だったのでしょう※1。
その証に、現在のシュワンツは普通のフォームでライディングしています。

あれ?
トップチームに競り勝つために特徴的なフォームでライディングする彼らのマシンは、
ライダーの要求に対応できていなかったりポテンシャルが低かったり、開発途上であったりするのが特徴です。
そうして勝ち残るためにはロデオ乗りみたいな押さえつけるライディングと、
暴れても対応できるようなフォームが適していていることを証明しました※2。
さて、
仮にバンク角68度で、肩も擦りそうなほど上体をイン側に落として旋回できるマシンにいきなり試乗出来たとして、
そのポテンシャルを引き出せるでしょうか?
トップライダーの域に達していないライダーにとっては、ポテンシャルの発揮どころか、
セッティングそのものに違和感を感じるのではないでしょうか。
そしてそれは、いわゆるセッティングの出ていないバイクと大差のない「乗りこなせていない状態」なのではないでしょうか。
シュワンツや、ノリック(そして天才スペンサー)たちは与えられたバイクを乗りこなしたライダー達です。
「有り余る才能があり、これ以上ない環境を有している」わけではないなあと少しでも感じたら、
雲の上のバイクを提供されるのを待つのでもなく、時としてあまり適切で無い自身の要求を貫くのではなく、
まずは「目の前にあるバイクを乗りこなす」に特化すべきではないでしょうか?
ということで下界のフォームです。
最近のタイヤは、フロントが台形、リアがシングルクラウンR(2字曲線だけど)?と、
普通に理想的な形状に落ち着いているように思えます(根拠なし)。
このタイヤ達は訴えています、
フロントタイヤ:「一定のキャンバー角で旋回してね。」
リヤタイヤ:「どの角度でも対応するよ。」
そのように走りましょう。
フロントタイヤを一定のキャンバー角で旋回させましょう。
どうやるかというと、ノリック乗りをしましょう。
具体的にどうやるかというと
ノリック乗りをしてフロントタイヤを一定のキャンバー角で旋回しましょう。
そしてその時のコーナーの状況に合わせてリヤタイヤの位置をコントロールしましょう。
フロントタイヤのキャンバー角を一定にするためには、
とにかく一気に所定の角度までフロント周りをバンクさせて、遠心力的な帳尻をライダーの位置で補いましょう。
リーンアウトしたり、肘を擦ったりということです。
リヤタイヤの位置をコントロールするというということは、リヤタイヤの利点も活かしましょう、ということです。
なぜフロントと同じ台形ではないのかが疑問ですか?
それはフロントと同じ台形では勝てないということを表しています。
そもそも役割が違う事はいうまでもありません。
単に立ち上がりだけを考えたらやはりリアタイヤのこの形状が望まれるのでしょう。
しかし、この組み合わせの意味するところは、
一定のバンク角のまま場面に合わせたパワーをうまく路面に伝えることが必要とされていることを意味します。
例えば入口はドリフト状態で立ち上がりはグリップ状態。
リヤタイヤの位置のコントロールの仕方を具体的に言うと
スライドなり、トラクション量なりでリヤの相対的な位置を変えるのです。
ダートラ並みのドリフト走行をしたり、普通にグリップ走行をしたりして。
つながりをスムーズにするためにもスライドは極めておくに越したことはないでしょう
そのためにはスライド事態を極めるか、スライドしても平気なフォームを極めておきます。
極めるためのヒントを。
スライドさせやすいエンジンのセッティングというのがきっとあると思います。
スライドさせやすいエンジンの回転域というのがきっとあると思います。
スライドさせやすいラインというのがきっとあると思います。
それをサーキットのレイアウトと自身のマシンに合わせジャストフィットさせます。
例えば、
コースに合わせるのではなく、一番高次元に走行できるコーナリング(R)に合わせます。
たとえすべてのコーナーを一定のRで旋回するように大回り、小回りしたとしても、
ラップタイムが良ければ誰も文句をいいません。
多分、
この状態は、少なくてもいくつかのコーナーではライバルより有利なポジションに立てているのではないでしょうか。
場面が限られるとしてもベストな状態やベストな走りがひとたびできれば、後は単なる応用です。
さあ、みんなでノリック乗り!
と、
ノリック乗り、シュワンツ乗りといえば豪快な転倒シーンが浮かぶ方もいると思うのでちょっと回避策を。
ロードレースのライディングフォームとして有名なハングオンの背中のくの字。くの字のそのくの字度は予想外の事態での対応速度を反映したものとなります。くの字がまっすぐになるまでが許容対応時間と思ってください。大きく折れ曲がったくの字はスライドした時とかバイクの挙動が予測できないとか、とにかく転倒したくない時に有効です(反射神経がすぐれない方も)。
背筋を伸ばしたままとか、前後左右どちらでもくの字にあまり折れ曲がっていない時には、素早い反応を求められてしまうので、不利となります。
よっぽど反射神経に自信がある方以外は避けましょう。
またミニバイク乗りの特徴である頭を大きくイン側に入れるフォームは、対応スピードに加え、お釣りも大きくなるのでよろしくありません。
対するノリックのハング・オンだけどリーンアウトみたいなフォームは有事の際に振られが中心に収束するというメリットが有ります。
ノリック乗りに加え、さらにタメを含めた安産なライディングに仕上げましょう。
そうして雲の上の人になりましょう。
その肝心の雲の上のお人たちですが……
マルケスやペドロサ達は先人たちが創りあげたマシンでのほほんと乗っているだけです。
マルケスの記録はその先人たち苦労の集大成ではありますが、逆に次世代を見ていないことの証。
ライバルがいないことはトップライダー+トップチームのジレンマでしょうね。
マルケスがもしも、次世代に向けた走りを目指した時、その時は、一時的に今とは異なるライディングを試みることでしょう。
シュワンツやノリックやロッシやドゥーハンやスペンサーのように。

ノリック乗りはバイクのポテンシャルより上をライダーが見ている証拠
基本の基:ロードレース>ハングオン 下界の走り
※1
マモラも?
※2
ノリックは自らのライディングを偏差値的に優等生なライディングに修正するのではなく、
開発陣に自らの次元の高さとマシンの次元の低さを訴え続け、開発陣はノリック乗りをしている時のマシンがより安定した挙動になるように開発を進めていたら、停滞とかスランプとかではなく次の次元に進めたのではないかと思ってしまいます。



















