ハイサイドの回避策 (新解明国語辞典) その3
陸上ハイジャンプ?
ハイサイドは陸上のハイジャンプみたいなものです。
助走と踏み切りのタイミングが合えば身長を超える高さにも跳躍することができます。
ポイントは慣性と踏み切りです。
オートバイでの踏み切りポイント(支点)はステップやシートなど流動的です。
何処をポイントにするかで高さが変わってきます。
外側ステップを支点にすると高く跳躍できますが、ライダーを飛ばすだけの勢いが不足していると腰砕けになる確率が増えます。
内側ステップにすると確率高く跳躍できますが、高さは競えません。
シートの場合は腰砕けの確立が増え、下手をすると逆方向に飛んでしまいます。
ただし必ずしも上記の通りになるとは限りません。
助走のスピードも、いつ踏み切るかも事前に知らされていないこと、
また同じイン側ステップを支点にした場合でも踏み切り時にバイクを押し出す場合と、踏み倒す場合があるなど
傾向も対策も立てにくいものとなっています。
さらに、助走から踏み切りまでの所要時間が大抵1秒以内とたいへん短いことも事態をより複雑にしています。
回避?
さて本題です。
この助走から踏み切りまでの間のライダーのアクションを見てみましょう。
そのアクションを改善するのです。
皆さんは、その間に何をしていますか?
私はというと、
「あっ」と何となくつぶやいて、気持ち体が「硬くなる」。
それだけです。
意識的にアクセルを戻す芸当はできませんん。
私の場合ハイサイドになりそうなスリップを起こすときは、たいていトラクションが抜けているか、イケイケで全開か、ぼーっとしているか、何かをしくじったかです。
そして気が付いた時には大抵「脳の思考」は停止しています。
というわけで、「あっ」と何となくつぶやくことと、気持ち「体が硬くなる」、これを改善してみましょう。
狭き門ですが、数パーセントの違いが運命の分かれ目です。やれることは何でもやってみましょう。
先に体が硬くなることから。
「スライドらしき状態をセンサー(体のどこか)が感知して体を硬直させる」として、
これの所要時間は体感時間では「瞬時」かもしれませんが実際には0.5秒ぐらいは優に浪費しています。
硬直の代わりに何かをするとしてもスライドしだしてから0.5秒後です。
これでは手遅れでしょう。
対応の遅れた修正は過剰修正になる可能性が高く、その結果お釣りが大きくなり、悪影響のほうが大きくなります。
これでは「百害あって一利なし」でしょう。先の陸上の踏み切りの支点を作っているようなものです。
なので、ここでの対策は次のようになります。
「スライドらしき状態をセンサーが感知して体を軟化させる」
あるいは、
「スライドらしき状態をセンサーが感知してもなにもしない」
あるいは
「スライドらしき状態をセンサーが感知しない」
あるいは
「スライドらしき状態をセンサーが感知しても手遅れなようにする(1秒以上時間をかける)」
これらのどれかに変更することです。
これで無駄な跳躍がへり、バイクの復元力に頼ることができます。
次に、「あっ」です。
これを「はぁ」とか「へぇ」とかに置換します。
脱力系の言葉に変更するのです。
いきなりできないので常日頃からの口癖にするとよいでしょう。
さらに、これに呼吸系のタイミングを加えます。
「息を吸ってブレーキをして、吐き出してターンインする」とか。
置換する言葉や呼吸法などは、その分野の専門家の助言を仰ぐとよいでしょう。
是非習得してください。
まとめると、どこを硬くするかを計画し準備する。ということです。
想定できる場面は多岐にわたるので自分なりのポリシーを作り、それにあてはめましょう。
【おまけ】ハイサイド回避策その4 というかライディングそのもの
- 旋回中はシート荷重を検討してみましょう。
ステップの加重はターンインとか立ち上がりの姿勢変化とかの一時的なヘルパーとしてのみ利用するのです。
根拠をうまく伝えられませんがハイサイド(転倒)率は減ると思います。 - ハイサイドさせるつもりで乗ってみる
反応速度は上がります。 - セナ足で乗る
どこの部位とかにかかわりなく振動させることは反応速度の向上と、
「反応速度向上+確率」で平均的なハイサイド(転倒)率の減少が見込まれます。 - 「反応速度」を捨てる
1秒以内の出来事に実質0.5秒以上遅延するツールを使うのは選択ミスです。
「反応速度」という概念は捨ててべつの概念を導入しましょう。
リアルタイム処理的な音楽とかリズムとか色彩とか、その他芸術ジャンルの何かとか。
では。
ハイサイドの回避策 (新解明国語辞典) その3
でした。
















