ハングオフからハングオンへ 一周回ってスペンサー
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ハングオフからハングオンへ 一周回ってスペンサー
ハングオフからハングオンへ
時代は移り変わり、今やハングオン(ハングオフ)も新たな次元を迎えようとしています。
その走法とは……
意味不明
正式にはハングオフ(洋名)と呼ぶのが正しいらしい、いわゆる腰落とし走法のハングオン(和名)について、改めて調べてみました。
調べるといってもWikiを見るだけという手抜きの極みなのですが。
そして、熟語の意味の確認のために、グーグル翻訳で「hang on」。
翻訳結果は「待って」 …
ああ、やっぱり英語圏では使われていないのだなと。
では、「hang off」。
翻訳結果は「オフハング」…
あれっ
気を取り直してnifty翻訳
「hang off」
翻訳結果は「ためらってください」…
「hang on」では?
翻訳結果は「掛かってください」…
この結果からだと「hang on」の方がまだ適切?
もう少し調べました。
- 【google翻訳】で「hang on」の翻訳結果
動詞、引っ掛ける
hook, catch, hang on, throw on, trap, ensnare - 【英語イディオム表現辞典】で「hang off」の翻訳結果
訳語: 気後れしてためらう;しり込みする - 【研究社 新英和中辞典】で「hang on」の翻訳結果
アクセント:háng ón
《 【自動詞】+ 【副詞】》
(1) すがりつく, しがみつく.
(2) 事をたゆまずやる, がんばる.
(3) (電話を)切らずにおく[待つ]; [通例命令法で] ちょっと待って (⇔hang up).
腑に落ちないのでランダムハウス英和大辞典という10Cm位の厚さの辞書で調べました
- ランダムハウス英和大辞典
Hnag off (壁紙などが)(壁などから)はがれて垂れ下がる
Hang on しっかりつかまる 手離さない 踏ん張る 努力を続ける 頑張る リードを守って競り勝つ
さらに、英語な人に聞いたところ、実際あやふやで、オンでもオフでも、どちらでもよさそうらしい。
決め手はオンは安定系、オフは不安定系の時に使うようです。
発祥のころの腰落とし走法が、はたから見たら不安定に見えた、というのが実情なのではないでしょうか。
しかしそれでは、
一般民はともかく、われわれハングライダーはこれでは合点がいきません。
実際にひっかけて乗っているのは峠の膝擦り小僧か、ペドロサくらいで、
不安定どころか、実は一番安全で安定している走法であるし、ガードナーや岡田に至っては大仏のような安定感を醸し出してさえいます。

やられました。
もっともらしい嘘に三半世紀も騙され続けていたことになります。
え、三半世紀なんて日本語はない?
ということで、腰落とし走法の正しいネーミングはハングオンに決定ですね。
ライディングフォームの移り変わり
めでたく、和製英語ではないことが証明され、逆に命名した洋な人たちより正しくハングオンを使えることになったところで、あらためて最近のハングオンについて。
ストーナーあたりから、マルケス、そして生まれ変わったロッシたちのハングオンって以前のハングオンと何か違うと思いませんか。
膝擦りが肘すりに代わり、腰を落とすスペースさえなくなってきてリーンインみたいなフォーム…とは別の次元のことをここでは説明させていただきます。
題して元祖ハングオン
今回は後姿で説明してみます。
往年のハングオンの後姿
まずは、往年の名ライダーの後ろ姿を※
※今回のお写真は「hiroの写真の部屋」よりお借りしました。

フレディ・スペンサー 1989/YZR500 ©roadster-hiro

ケビン・シュワンツ 1989/SUZUKI RGV-Γ ©roadster-hiro

クリスチャン・サロン 1989/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

平 忠彦 1990/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

ランディ マモラ 1990/CAGIVA V590 ©roadster-hiro

ワイン ガードナー 1990/HONDA NSR ©roadster-hiro

ケビン マギー 1990/SUZUKI RGV-γ ©roadster-hiro

ウェイン レイニー 1990/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

エディー ローソン 1990/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

フレディースペンサー 1993/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

ルカカダローラ 1993/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

マイケルドゥーハン 1993/HONDA NSR ©roadster-hiro

ウェインレイニー 1993/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

ロリス・カピロッシ 1993 ©roadster-hiro

藤原克昭 1996/LUCKY STRIKE SUZUKI ©roadster-hiro

青木 琢磨 1996/Team HRC ©roadster-hiro

Alexandre Barros 1996/HONDA PILERI ©roadster-hiro

Kenny Roberts jnr. 1996/Marlboro Team Roberts ©roadster-hiro

伊藤 真一 1996/Team REPSOL HONDA ©roadster-hiro

Michael Doohan 1996/Team REPSOL HONDA ©roadster-hiro

岡田 忠之
1996/Team REPSOL HONDA ©roadster-hiro

阿部 典史
1996/Marlboro Team Roberts ©roadster-hiro

青木宣篤 1997/HONDA NSR ©roadster-hiro

マッシミリアーノ・ビアッジ 1998/HONDA ©roadster-hiro

アレックス・クリビーレ 1998/HONDA ©roadster-hiro

原田哲也 2000/APRILIA ©roadster-hiro

マックス ビアッジ 2000/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

ノリック 安倍 2000/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

タディー 岡田 2000/HONDA NSR ©roadster-hiro

セテ ジベルノウ 2000/HONDA NSR ©roadster-hiro

青木宣篤 2000/SUZUKI RGV-γ ©roadster-hiro

ギャリー・マッコイ 2001/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

芳賀紀行 2001/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

バレンティーノ・ロッシ 2001/HONDA NSR ©roadster-hiro

中野真矢 2001/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

宇川徹 2001/HONDA NSR ©roadster-hiro

カルロス・チェカ 2001/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

ロリス・カピロッシ 2001/HONDA NSR ©roadster-hiro

加藤 大治郎 2002/HONDA NSR ©roadster-hiro

ケニー・ロバーツ 2002/SUZUKI GSV-R ©roadster-hiro

加藤 大治郎
2003/Telefonica Movistar HONDA ©roadster-hiro

原田 哲也 2002/YAMAHA YZR ©roadster-hiro

ケニーロバーツ 198?

ジョン・コシンスキー
次世代ハングオンの後姿
次に次世代のライダー


ロッシとロレンソ
もっとわかりやすい写真を見せたかったのですが、最近背中のカットをあまり目にしなくなって来たように思いませんか?
理由は、
格好が悪くなってきて、絵にならなくなってきたからなのではないかと思います。
腰を落としていないことと、背中が曲がっていたりするからでしょう。
そうです、最近の走り(はやり?)は格好が悪いのが特徴です。
バイクにしがみつくのです。
以前よりハンドルにへばりついている感が漂っています。
腰もあまり落とさないのです。
単発か連続か
なぜそうなったかといえば、
それはリカバリーの頻度によるものです。
「昔はよかった」との言葉通り、昔はよかったのです。
誤解を伴いますが、昔はハイサイドとは一つのイベントであり、アクシデントであり突然起きるものだったのです。
ところが今はそうはいいきません。
コーナリング中はほとんど転倒の連続に近く、タイヤの限界付近での走りを常に求められているのです。
ロッシが有り余る才能で、余裕綽々に膝擦って遊んでいても勝てていたのに、同等の才能を持ったケーシーやマルケスらがが高い次元の走りをキープしだしたのです。
したがって、その次元の走りではタイヤの限界付近の挙動を敏感に感じ取り、なおかつ瞬時に対応すなければいけなくなってしまったのです。
その対応する際の邪魔ものになるのが、おつりを伴う重量物、すなわちライダー自身をなるべく邪魔にならないようにする必要が出てきました。
そして、それは結局バイクと一心同体というか、バイクにしがみつくことが最善の策だということです。
理想的なフォームとは別の次元で、完走するすべを優先した結果だと思われます。
振られに強いカエル乗りです。
バイクに体を押し付けるように、なおかつ体を膠着させず、そしていざというときには自由度が高くて反応速度も早いような体制が必要です。
特に低次元ではともかく、高次元になると以前とは異なり、予想と異なる方向や、予想を上回る力などが発生することでしょう。
それに対応するためには、前後左右どちらの方向にも対応できることが重要です。
伸びきった体勢は命取りとなることでしょう。

こんな極端なリーンインするぐらいなら、ハングオンしましょう
体制が整っていなかったり、ぼーっとしていたらハイサイドや、スリップダウンとなってしまうということです。
先の往年のライダーは皆、腰がまっすぐというか、バネがなさそうというか、滑るとは思っていないというか……
その中では芳賀紀行と、加藤大二郎が、今風の乗りかたっぽいように思います(次元が高い)。
さすがですね。
一周まわってスペンサー
さて、次世代の走りが理解できたところで、改めて思い起こしてみましょう。
全盛期のスペンサーの背中と腰です。

フレディースペンサーの進入時の背中
何の事はない、30年の時を経て、それもデバイスの力を借りて、やっとスペンサーに追い付きました。とさ。
このころのスペンサーがしがみついていないのは今とはタイヤのグリップ力が違うからと思われます。
ただ スペンサーの時代よりも、今はスペンサー乗りがしにくいと思います。
なぜなら、ブレーキが利きすぎる……
大本命
そんな中、ひたすらオーソドックスに速いロレンソに期待。
普通にバイクを高次元にコントロールしていると思われます。
お手本にすべきは彼だと思います。

普通のライダーがお手本にすべきはズバリ、ロレンソ
今回お借りした「roadster-hiro」さんの写真は『MotoNavi』の「俺たちのバリバリ伝説」で使用されているとのことです。
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電子ブック版はおすすめしませんが…
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