カウンターアタックとカウンターステア
カウンターアタックとカウンターステア
カウンターパンチ
カウンターといえば、モータースポーツではカウンターステア、ボクシングではカウンターパンチ(カウンターブロー)を思い浮かべますね。※
ボクシング世界ウエルター級王座統一戦12回戦が2015年5月2日、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われ、フロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)が判定の末3-0(118-110、116-112、116-112)でマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)を下しましたね。
ボクシング関係者や、ボクシングに詳しい識者は、メイウェザーの技術力をしきりに褒め称えるのですが、
単なる格闘技好きの私から見ると、相手の出方を待っていたり、小賢しくし逃げまわり、都合の良い時だけ打ち返す、そんなボクサーに好意は抱けませんでした。
王者とは思えないのです。
デフェンス技術はもちろん必要でしょうが、
そもそもボクシングとは「不利と見るや逃げまわってよいスポーツ」ではないとの認識です。
「勝者のみが勝者」は当の本人にとっては切実なのはわかります。
しかし、観客目線を加えていただけるのであれば、プロボクシングとは、(2位に終わった)「パッキャオの戦い方を称えるスポーツ」であって欲しいものです。
加えて、興行的な挑発のための無礼なインタビュアーは不愉快の極みでした。
カウンターアタック
愚痴はさておき、
カウンターアタックという用語を、勝敗を競うモーターレースにも加えておきましょう。
カウンター
カウンター【counter】
1 反対。逆。また、反撃・反抗。「―パワー」「―アタック」
2 「カウンターブロー」の略。
※詳しくはgoo辞書で(http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/37358/m0u/)
カウンターステア (新解明国語辞典)
かうんたーすてあ 【カウンターステア】
二輪車、及び四輪車において、見た目の進行方向と、車体とステアリングの方向が反対であるときの状態を客観視した時の状態。
積極的にステアリング操作を行うときは「カウンター(ステア)をあてる」、「カウンター(ステア)を切る」、
進行方向通り、あるいは、見た目通りの場合は、単に「ステア」などと呼ぶ、と、一般的には解説されています。
これからすると、直線走行中にリアブレーキにより車体が横を向いた時にあてるステアリングは、カウンターではなくただのステアと呼びます。
ただし、実際に用語を使いこなす必要のある当事者は、少し注意が必要です。
二輪でよく使う「当て舵」も、英訳ではカウンターステアと呼ばれていることです。
方向を変えるときの操作を「操舵」と呼ぶことからも分かる通り、用語の発祥は船舶でしょう。
船舶で使われる当て舵も、カウンターステアリングという英語(用語)に縛られてか、「反対方向に操舵すること」と説明しているものを見かけますが、実際には望み通りの方向に進むための微調整全般のことを指していたりします。
船舶や飛行機にとっての当て舵は慣性などによる旋回モーメント(大日本帝国海軍と海上自衛隊では「行き脚」というらしい)を打ち消すために、進行方向に逆らい操舵することを当て舵と呼ぶようです。
操舵の向きが、進行方向や、これから行きたい方向とは異なる、あるいはそれ以上の方向に、何らかのきっかけを与えるために操舵するのです。
逆というより、流れに逆らうというのが正しくなります。
幸いにも日本人は、見た目の状態をカウンターステア、操作することを当て舵と使い分けられるので問題はないことでしょう。
カウンターステアは単に進行方向を前輪が向いているだけでステアリング操作とは直接関係はありません。
当て舵は進行方向とは異なる方向にわざわざステアリング操作を行うことです。
特に二輪の場合は遠心力が働く方向(外側)にステアすることを逆操舵、内側にステアすることを順操舵と呼びます。
あるいは船舶にならい、右側への当て舵を「面舵に当て」、左側への当て舵を「取舵に当て」と呼ぶとよいでしょう。
カウンターステアのあて方
因みに、二輪におけるカウンターステアのあて方は次のとおりです。
- 四輪と異なり二輪ではカウンターステアのあて方はステアリングに何も力を加えないことです。
- ステアリング操作を妨げる阻害要素は、ライダー、タイヤ、外乱、ステアリングダンパー、各種ジオメトリセッティングなどがあります。
- ライダーの阻害要素は、脇締め運転、減速G、伸びきった腕、リーチ不足などがあります。
- ステアリングが進行方向を向くまでのスピード調整を行いたい場合のみ操舵します。
- ステアリングダンパーが効きすぎて素早く回頭させたい場合などのステアリング操作は順操舵になるのでステアです。
- キャスターが立ちすぎてクイック過ぎて困る場合などは(がもしあったら)、回頭速度を遅らすためには逆操舵になるのでカウンターステアをあてます。
カウンターアタック
やっと本題ですが、先の辞書によるとこうです。
- カウンターアタック【counterattack】
失地回復を目的とする限定攻撃。逆襲。 - サッカーやラグビーで、防御から一転して攻撃に移ること。
ロードレースではS字のような複合コーナーにおいて、最初のコーナーでアウト側に位置し、次のコーナーでアウトガワに位置できる戦法で知られています。
一見不利なポジションが最終的には有利に立てる戦法ですね。
手元にある『カウンターアタック』(永井洋一著)という書籍では
大相撲の双葉山関の座右の銘であった「後の先」を例に取り、「先の先」、「先の後」、「後の先」、「後の後」についてそれぞれの戦法を紹介し、その中で「後の先」についての解説を進め、具体例としてボールゲーム、サッカー、ボードゲーム、戦史、それぞれを紹介しています。
基本の基としては、身体的不応期、心理的不応期などの存在にふれ、その結果生まれる「スキ」により混乱を来さないようにするための訓練の必要性を説いています。
また、本サイトの半眼でも触れている周辺視や瞬間視などについても触れています。
剣道や合気道などでの受けと攻めの境目のないシームレスな攻防などが如何に芸術的かを説いています。
本書は実力で楽勝な方々には、不要かもしれません。
しかし、現状よりもより良い成績にするための、具体的な思考法のヒントになったり、レース中の攻防における精神的な優位性を確保するために役に立つことでしょう。
ということは、ほとんどのライダーにとって有用ということです。
消極的なイメージが付きまとうのなら、それは先んじるチャンスと言えますし、
守りや、相手の状態や自身の状態などにあわせて攻防するするためには、的確な決断を、素早く行う必要が有ること、又そのことから多数の対応手段が体にインプットされ、ストレス無く対応できる可能性を秘めているということが言えます。
こういう本は、内容の薄い濃い、必要性の有無、自身への合う合わないがあるので、まずは書店や図書館で関連書籍を多数読みあさると良いと思います。
カウンターアタックとは戦い方そのものです。
返し技というか、反撃というか、まあいろいろですが、戦法としては効果的なのでしょう。
しかし、です。圧倒的に強いもの、あるいは強さを誇りたいものが戦法として全面的に取り入れているのを目にすると、私としてはお金を払ってまで見たくはなくなります。
いえ、WOWOWなので無料と言えば無料ですが、でそもそも、初期のWOWOWはボクシング放送のみが売りだったんです。
ことレースにおいても性格的な「ヒール」や、無邪気な「攻撃」も本人のイメージや今後の人生に大きく決定づけることがらです。
とくに、失うもののない若年と、生活を担っている成年とのリスクに対しての見解には、大きな隔たりがあることでしょう。
尊重しつつも周囲のスタッフがコントロール、あるいは確認、見直しを行ってあげるべきでしょう。
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