アウト・アウト・アウトを見直す(ミドル・ミドル・ミドルの勧め)
アウト・アウト・アウトを見直す
世の中アウト・イン・アウトが全てじゃありません。
仮にアウト・イン・アウトが最速だったとしても、だからってレースに勝てなければ意味はありません。
ライバルをパスするときには別のラインを走らなければいけない時もあるからです。
もいちど、他のラインも見なおしてみましょう。
というか、コースを見なおしてみましょう。
NASCAR
NASCARはアウト・アウト・アウトがベストラインです。
面白いのは、アウトインアウトよりも、イン・イン・イン、ミドル・ミドル・ミドルの方がまだましっぽいことです。
それが成り立つのがコースのカント!
このカントのカント具合(角度)によって、イン・イン・インやミドル・ミドル・ミドルよりもアウト・アウト・アウトの方が若干早くなるようにできているからなのです。
カント具合やタイヤの寿命のバランスを調整することで、レースがマンネリにならず、作戦次第でチャンスが巡ってくるようなパッケージを作り上げているのですね。
その結果、どこでもそこそこ走ることができ、作戦を楽しむことや、抜きつ抜かれつが安全に行われ、無駄な接触を避けることに貢献しているのです(多分)。
さらにタイヤマネージメントも加わります。
アウト・イン・アウトの方がたとえ速かったとしても、それではタイヤの摩耗が進み、トータルではあまり多用しないほうが身のためだったりするのです。四輪の意味不明のパッシングボタンよりは遥かにマシです。
NASCAR恐るべしですね。
ということで、
見る側はもちろん楽しむことが出来、走る側にとっても以外に頭脳戦なところがあるNASCARを参考にしない手はありません。
二輪だって同じことが言えるからです。
ラインの作り方
今まで、無条件にアウト・イン・アウトで走れば良いと思っていたそこのアナタも、も一度見なおしてみましょう。
言うまでもなく、マルケスを始め、どこからでも抜けるライダー達は、見直し済みなことでしょう。
で、どうやって見なおすかというと、ホンダはさくらのスパコンがあるので、スイッチポンでしょうが、データは公表しません。
実際、いくらコース図を眺めてみて、分かった風に走ってみてもそれがベストかどうかは確信が持てないことでしょう。
したがって経験がモノを言うことはもちろんですが、効果的に経験を積まないと返って路頭に迷ってしまいます。
そこでお勧めがこれです。
ずばり、バトる!
バトルで学ぶ
といっても、条件付きです。
ライバルのほうが若干コーナーが旨くて、ストレートはこちらのほうが若干速いこと、いわゆる向きたくても抜けない状態で有る必要があります。
そして、2台だけのバトルで背後を気にする必要が無いことがこの学びの条件です。
要は、前を行くライダーをマーカーにして、どこを走れば効率が良いかの経験を積むという方法です。
実際のレースでは、うまくすれば最終ラップまでに、ライバルをパスできるラインがみつかるかもしれません。
しかし、いきなりそのコーナーで抜ける様なラインは見つからないでしょう。
それほど低次元な走りではそもそもないと思います。
目標は、脱出スピードの向上です。
例えば続くストレートが500メートル位の場合、速度差が時速で5〜6Km ぐらいあれば、ストレートエンドで抜けたりします。
ポイントは、
近づき過ぎないことと、
ラインが重ならない(接触しない)ラインの方が実用的であることと、
タイヤマネージメントにも目を向けること、など。
アウト・イン・アウトのように、カントが変化するラインの場合は、加減速を検討し、
逆にミドル・ミドル・ミドルのタイヤへの優しさを身をもって知ることなど、たくさんのことが学べるでしょう。
そしてこれを学んだうえで、自在に、ファイト です。
抜けない時の走り方
ということで、様々なラインの特徴を知ることで、1つのレース内で学ぶことが出来、旨く行けば最終ラップに逆転勝利することができる可能性が上がります。
なにより、通常ライン以外の状態を身を持って知ることが出来ます。
ミドル・ミドル・ミドルの勧め
そしてもう一つ、
もしも、イン・イン・インやミドル・ミドル・ミドルなどでライバルとタイム的に遜色なく走れる場合、タイヤマネージメント的に有利に走れ、後半で優位に立つことができるかもしれません。
総じて、
アウト・アウト・アウトは完璧な走行をする分にはいいのですが、ミスをするとクラッシュやタイムロスが待ち受けています。
対するイン・イン・インは対するぐらいなのでそういう意味で決勝、というか耐久のような完走向けと言えるでしょう。
そして、中途半端なように見えるミドル・ミドル・ミドルを極めるということは、実はコースを完璧に制覇したともいえるのです。
チョットのミスでもラインがずれてしまうからです。
安全なのに、高次元、というなかなかリーズナブルです。
とにかく、おなじことをしていたら、あなたにあらたな勝機は生まれないということです。
観る側としては「ライバルと同じセッティングと同じタイヤなら、ポイント的に大差がつきにくいだろう」的な走り、作戦はとっても面白くありません。
様々なライダーや走りがあるからこそ楽しいのです、ギャンブル的なセッティングだって、ヒトゴトなのでウェルカムです。
ギャンブル的なレースを楽しむことで「実生活でのギャンブルが減る」という財布に優しい、マネーマネージメントにも効果があるかもしれないのです。
では、シーズンオフこそ皆さん頑張ってください。
アウト・アウト・アウトを見直す(ミドル・ミドル・ミドルの勧め)




















