下り坂番長 RR>タイヤと空気圧
登り坂はマシンパワーで制すのに対し、下り坂はマンパワーで制します。
チームは、上り坂で勝てるように計画し、ライダーは、下り坂で勝てるマシンを所望します。
それはそうです、チームとしてはライダー依存の下り寄りよりは、安定して好タイムが出せる登りを優先した方が確実で手っ取り早いでしょう。
ライダーはすべてをチーム任せにしてはいけません。
登り坂と下り坂で、ラップタイムに、より影響があるのは登り坂のほうです。
なぜなら、登り坂の方が走行時間が長いからです。
加えて登り坂のロスタイムのほうが、より大きく時間を失うからです。
ということは、
ラップタイムを縮める鍵は登り坂にあるといえるでしょう。
その登り坂を速く走る秘訣といえば次の2点です。
- パワフルなマシンに乗る
- 空気圧をパンパンに高くする。
たったこれだけです。
これであなたも登り坂番長になれます。
良いチームに入るべく、幼少期から訓練を重ね、資産を作り、人脈も広げ…
さて、そうして手に入れたパワフルなマシンに、空気をパンパンに入れて、ベストラップを叩きだしたとしましょう。
ところが、いざ決勝を走ってみると、意外や意外、結果が思わしくない時があります。
確かにストレート(ストレートエンド)でパスできるのは楽ちんです。
しかし、登り坂での抜き差しは、タイム差のないバトルの場合には、相手のブロックがより厳しくなる傾向があります。
登り坂の場合はストレートや下りに比べ、恐怖心が少ないからでしょう。
言い換えると、簡単に抜かせてもらえません。
無理やり抜いてラインを崩した場合のロスタイムはより大きくなる傾向があり、クロスラインでの抜き返しも、登りのほうが相手が無理矢理ねじ込んでくる確率が高くなります。
そして、問題はそこではなく、下り坂でのストレスが顕著になります。
登り坂に特化したセッティングは、下り坂には特化はしていないのです。
せっかく登り坂で抜いたとしても、なんと下りでパスされるリスクが高くなってしまうのです。
たとえばパワーで勝っているとしたら、他のライダーよりも手前のポイントからブレーキングを開始する必要が生じます。
当たり前といえば当たり前ですが、速いバイクはコンディションが悪い時には、その分リスクが高くなってしまうのです。
ライバルと同じ走りをしたとしたら、ライバルより危険な状態といえるでしょう。
またより高いスピードからのブレーキングのほうが侵入速度の精度が低くなります。
おまけに空気パンパンだとマシンの摩擦抵抗が少ないのでオーバースピード感が漂ってしまう場合もあります。
これでは、たとえライダーとしての腕前がライバルと同じくらいだったとしても、自身のほうにへたくそ感が漂ってきてしまいます。
いろいろメンタル面でストレスがたまりそうですね。
だったらかえってマシンは遅い方が楽なのではないか?
無駄に早いのは、かえってリスクが高いだけではないのか?
となってきます。
そこで空気圧の登場です。
予選は空気パンパンで登りでタイムを刻み、
決勝は空気を抜いて、下り坂で優位に立つのです。
今回のような場合は、「登りで抜かれない程度に空気圧を下げる」が正解かもしれません。。
下り坂の走り方については以前に一般道の例で説明していまので参考にしてください。
下りで優位に立ちたいときのセッティングとしては、
一番は空気圧にあると思います。
安心して走れることが重要だからです。
タイヤの寿命については、「そのためにメーカーは耐久テストをしている」はずなのでライダーは大きく心配する必要はありません。
ライダーとしては、それよりはタイヤに優しい走りについて研究した方がより優位に立てるでしょう。
ポジションについては、とにかくマシンを押し出せるようなライディングができるようにしておくことでしょう。
下り坂でライダーが先行してしまったら余計な恐怖心がわいてしまうことでしょう。
ハンドルを高目に、オフセットを手前目にするのも効果的でしょう。
フロントサスのダンパーのテンションを弱めにするのも効果があったりします。
イン側の足をいったんオフロードのように出す「足ぶら」も上に上がった(メンタル的な)重心をいったん下げるためには効果的です。
他にもいろいろ工夫してみてください。
ライディングそのものについては、今回は特に触れません。
で、下り坂番長になれたとして、その発揮場所ですが・・・
意外と日本には少なかったりします。
かつての西仙台とか……
すいません、浮かびません。
それでもパッシング用に新たなラインを作っておくのには効果があると思います。
全てのサーキットの勾配の割合は同じかというと登りに特化したコースと下りに特化したコースとがあります。
例えばツインリングもてぎサーキットのロードコースは90度コーナー前の下り坂が特徴です。
したがって、780mの下りストレートがコースの特徴としても、タイムの鍵を握っているのは登り坂です。
それは、もてぎの特徴である「ストップアンドゴー」という言葉にもあらわれています。
ストップアンドゴーはストレートの後に小回りのコーナーが続く場合によく言われる言葉でもありますがそれだけではない時もあります。
それは、登りを重視するか下りを重視するかです。
そして登りを重視することの意味することは、「空気圧をできるだけ高めに設定する」ことです。
この空気圧を高めにする理由はは路面抵抗の軽減です。
それはコーナリングを犠牲にしてでもストレート区間を短時間で走ることを優先するという判断ととれるからです。
そして、空気圧を高くした結果コーナリングのトラクションが減少してしまうのですが、その埋め合わせとしてより小さく曲がるという手段が採用されます。
大きなRより小さなRのほうがよりトラクションをかけやすいからです。
しかしメーカーの思惑とは別の次元でライダーが存在しています。
かくして、「ストップアンドゴー」のもてぎでは、「ストップアンドゴーなら負けないホンダが勝てない」という現象が…
ホンダの思惑は見事に失敗します。
ストップアンドゴーに特化したマシンを作れば勝てるだろうと、ライダー不在の戦略の失敗例だったりしてしまいます。
なぜもてぎが「ストップアンドゴーのコース」と言われるのかは逆走してみればわかります。
逆走すると下りがキーポイントになるからです。そして傾向としては「コーナリングのもてぎ」になるからです。
確かめてみたい方は10月31日に開催される第12回もてぎ7時間エンデューロ2015で確認してみましょう。
http://www.twinring.jp/bicycle_m/motegi7h/course/index.html
それか、朝のチャリンコでの下見とかで、両方回ってみるとわかりやすいでしょう。
とくに緩やかな勾配などは騙されやすく、侵入速度の設定や、フィーリングの感じ方に大きく影響しています。

以上
凄く、まとまっていませんが、時間かけてもまとまりそうもないので一旦投稿してしまいます。
では




















