サーキットのコース攻略において大事なのがコーナーのライン取り。
初心者はもちろんのことそのコースを初めて走る場合やマシンなどの環境が変わったときにコース図片手にアレヤコレヤと考えたものですね。
今回はこの時としてけんけんがくがくの熱い議論が交わされるこのコース攻略に必要なライン取りについて、水をさして見たいと思います。
コーナーのライン取りの考え方について考えてみましょう
理想のレコードラインについて
いきなり、「ライン取り」をケナすとあれなんで別のジャンルの話で説明して見ます。

メニューインの楽譜への手書きメモ 奏法の指定、どの指で押さえるかの指番号に加え、テンポやアクセントなどが書き込まれ、一音一音をいかに重要視しているかが見て取れます
この楽譜はクラシック界の巨匠の楽譜です。
びっしりと書き込まれた手書きのメモは演奏を完璧にするための情報が書き込まれています。
この楽譜の効も手伝ってか、感動的(記録的)な演奏が繰り返されるわけです。
さてこの楽譜があれば、同じ様な演奏ができるかというとそんなわけないことは理解できますね。
その理由は、ここに書き込まれているのは彼に必要な情報ということです。
何万回となく繰り返し練習や本番を重ねてきて、なお必要な情報が書き込まれています。
書き込まなくてもできることは書かれていないわけです。
そして、事細かに書かなければ思った通りの演奏に近づけないということも表しています。
例えばこの楽譜を手に入れて彼と同等の演奏をするためには、何を書いてあるか理解できて、書かれていないことも当然こなせることが要求されます。
要するに、この楽譜を有効に使いこなせる第三者は、彼以上の技術と頭脳を持ち合わせていないとまるで真似できないということです。
じゃあこれを初心者にもわかる様に書き直しができるか?ということです。
初心者向けの攻略法ってなんなの? って話。
答えはニーズがあるから商業的に提供している?
レコードラインの走り方
ということで、
レコードラインを手に入れたとして、
まずはそのレコードラインを走ってみることにしたとします。
そのレコードラインを走るために必要なことがあります。
それはそのレコードラインを完璧にトレースすることが要求されます。
そのレコードラインを走ってレコードタイムを叩き出すライダーと同じ様な走りができることが前提となります。
初心者がレコードラインを走ることの意味
どうせ走るならコースを覚えるためにもいわゆるレコードラインを走ることを、無意味とはいいませんが、そのことでわかることは、レコードタイムで走るライダーとの技術的な格差を知ることができることです。
そこを走ることで生まれるロスタイムとそこをトレースする価値のあるスピードに設定できていないことを知ることができるのみです。
この場合(初心者の場合)最初にすべきは、自分の一番早く走れるコーナリング(R?)の組み合わせでコースを走って見て、それとレコードラインとのタイム差を比較することから始めると良いと思います。
そこで問題になるのがどっちがどのくらい早いのか? というのがあります。
ということで今回の趣旨。
スピード感覚を身につける
後方から追い上げる場合、どの辺で追い抜くことができるか、が自然に思い浮かぶ様にしましょう。
何考えなくても予定調和のごとく、何事もなく抜きさるわけです。
そこでは、相手のミスや、自分の頑張りは見積もりに入れません。
なぜなら逆もあるわけで場当たりだからです。
さてその予定調和ですが、これは技術と経験だったりするわけです。
技術はそれぞれ身につけるとして、問題は経験です。
追い上げる練習をたくさんすれば良いのですが、そんな恵まれた人、として浮かぶのが、ロッシとマルケス!
子羊を集めて遊んでいるのはそのためです。
それだけのリソースがない小国日本のライダーはどうするれば良いかというと、
話は変わって、中国とかから小国日本と呼ばれて慣れ親しんでいましたが、実は日本は面積的には決して小国ではなく中くらいの位置付けらしいそうな。だとすれば中国日本と呼ぶのが正しいと思ううのですが、どうでしょう。。(中国は大国中国)
話は戻って、サーキットなどではそんな練習を気軽にはできなく、街中でもそんな走りはもちろんしてはいけないので、別の練習法で経験を積むことにしましょう。
今回は、街中を歩いて見ましょう。(ジムカーナは脳がそれどころでない傾向があるので適してません)
対象は同じ方向を歩いている一般市民。
これらを抜き去って見ましょう。
ポイントは、どこで抜けるか即断すること。
そしてその即断が正しかったか採点すること。
これを繰り返して経験値として積み重ねます。
もちろん信号に引っかかったり、相手のスピードが気まぐれだったりしますが、それを含めての即断です。
また、想定したパッシングポイントで抜くためにはどのくらいの速度差が必要かも即断します。
ポイントは計画を変更しない事
ポイントとしては、その「抜き去る」計画を立てた瞬間に全てが決まるようにすることです。
そして図面は実践時には使い物にならないので、あくまで視覚情報、視界をもとに決定することです。
途中で細かい微調整をするのではなく、対象を抜こうと決めた時点で、その抜き去るための実行計画も完了しており、細かい調整ではなくおおらかな調整を行うのみとします。
このおおらかな調整こそがテクニックです。。
もちろん障害物に引っかかってしまったら零点です。
途中に存在する歩くパイロンなどの障害物をうまくかわすこともテクニックに含まれます。
どのタイミングでその地点でどのくらいの速度で侵入すると何事もなくかわせるのかなどを、計画立案時に即断するのです。
練習を重ねると相手のスピードと自分のスピードとの相対速度みたいな速度感覚が身につくのはもちろんのこと、自然とちょっとしたラインの違いでどんだけ相手に近づいたり遠のいたりするのかが実績値として積み重ねってきます。
その結果意識しなくてもライン変更による距離差感覚が身につき、ラインで調整とかでパッシングポイントの調整ができる様になってきます。
抜くためにはむやみに近づけば良いわけではありません
そうして、計画立案時に即断でき、それが実行できるようになると、
ストレスなく安心してレースを組み立てることができるようになります。
「お前はすでに抜かれている」なわけです。
自身の転倒率を下げることや、無駄な疲労をしなくて済むようにもなれることでしょう。
コースのライン取りの考え方
路上教習が終わったら実践です。
実際のサーキットでコースのライン取の考え方としては、
レコードラインを入手してそのままトレースするのは賢明ではありません。
まずはそのコーナーを自分の得意なコーナリングスピードで組み立てます。
当然小回りになると思います。
そしてその走りと、遠回りであるレコードラインとのタイム差を鑑みるわけです。
もしも自分の得意な走りとレコードラインの走りとでタイム差が生じなければどっちでもいいわけですし、パッシングポイントにもなりうるわけです。
もちろん下手するとパッシングされるポイントにもなるわけですが・・・
小回りの利点
レコードラインとか、ライン取りとかを考える時にはとかく「小回り」はバカにされがちです。
しかし小回りを制す者は世界を制すと思うのです。
何しろ、小回りは決勝時に失う物がなく、そして順位的なご褒美をもらえる可能性があります。
デブリの存在性が低く、ラインを邪魔される可能性も低いなど外部要因の影響を受けにくいといえるからです。
少なくとも実力通りなうえに、たまにボーナスポイントが入るわけです。
いわゆる「強いライダー」とか言ってもらえるようになるかもしれません。
大切なことは、レコードラインを走ってみる前に、自分お得意なコーナリンでどのくらい通用するかのベースタイムを作っておくことと、適切にスピード差を作り出したり活かせる経験値を用意しておくことが、結果的にレコードラインを通ってレコードタイムを塗り替える近道という話でした。
レコードラインを通りさえすれば自分なりのベストラインが生まれると思ったら大間違い。
誰かのレコードラインはベストタイムで走れる可能性があることとは裏腹に、自分には適していない走りを強要される危険性が含まれていることを意味しています。
なんとなくのベストラインに個人的なスペシャルテクニックを加算して生み出されるのがレコードラインともいえると思います。
あくまでコースのライン取りは自分の実力なりに組み立てるのが正解ということです。
図面片手にコースを歩いて確認することから始めましょう。
では
※デブリを無視して小回りを語っていますがもちろん小回りとは継続的に安定して速く走れる小回りのことです。
※ここでは小回りを推奨しているみたいですが、その分ロレンソみたいなライダーがお手本であることに変わりはありません。
もしも まっとうなラインについての知識が必要でしたら 外部で・・・ こことか↓
- コーナリング – MITSUBISHI MOTORS – クルマの学校 –
- ライン取りを考える

以上
コーナーのライン取りの考え方
でした。
ライン的な記事は同じようなことが複数掲載済みです。よろしかったらどうぞ
理想のライン とか



















