キース・コード的立ち上がり
プロダクトの降格
キース・コードのプロダクトの概念は、何かについて事を行う時の訓示である。
「どうせやるならより前向きに短時間で効率よく行えるように頭を使え」
残念なことに、その理路整然としたまとめ方がライダーには結構鼻についてしまいます。
「悔しかったら見返してみろ」的に挑発的に感じてしまったりします。
せっかくの知見が崇高すぎるがゆえに有効に活用されていません。
それではもったいないので改めてプロダクトしてみます。
題材は次の二つ
- 以前書いた立ち上がりについての自前の立ち上がりの記事。
- 『ロードレースライディング』の記事中の立ち上がり関連の記事
この2つの記事でプロダクトとして書かれている断定調の箇所は全てサブプロダクトに降格させます。
理由は、
- 1では方法の説明なのにより高度な技術を必須として書かれているから。
出来そうで出来ないことはプロダクト(前提条件)としてはふさわしくないからです。 - 2では文章が長くて難解だから。※
一般に真実は短くて平易であるからです。
「私(キース・コード)の理論は正しいので、皆理解できる」とは限らないからです。
ということで立ち上がりについてのプロダクトを改めて説明してみます。
立ち上がりのプロダクト
ロードレースにおける立ち上がり時のプロダクトは次の四つです。
- 立ち上がりのスタート地点は、毎回不特定である
- 貴方の思っている、そして実行している「立ち上がりのライン」は常に間違いである
- 立ち上がりの練習中に、コースにクリップしたら、それは大失敗である。
- 立ち上がりにとって、そこに至るまでの走り(ブレーキングとかコーナリング)は常に満点であることを認識しておくこと
今日からこれが立ち上がりにおけるプロダクトです。
理由は、次のようなものです。
-
スタート地点は毎回不特定
立ち上がりのプロダクトを必要としているライダーはきっと、ブレーキングだって、コーナリングだって同様にプロダクトを必要としていることでしょう。
スタート地点のみならず、スピードも、向きも同様に毎回同じことを繰り返せることを確約できません。
すなわち完璧ではないということです。
毎回、不安定な状態で立ち上がりポイントに行き着くのです。
だからサブプロダクト的にはスタート地点は、常識的な範囲内でのありとあらゆる場所とするべきでしょう。
例外は停止時からのゼロスタートぐらい。 -
「立ち上がりのライン」は常に間違い
実際の成功度よりも、より速く走るためにはそう思ったほうが良いからです。
何より、立ち上がりのプロダクトは、いつもとは異なるシチュエーションの時にこそ必要とされているからです。
抜きたい時、抜かれたくない時には、他のライダーと異なる時間空間を作らないといけないからです。
その異なる時間空間で抜いたり、ブロックしたりする時間差を作ります。
そしてそれは、いきあたりばったりとか、決勝中に試してたりしていたら、手遅れで、スマートさに欠け、そして無駄に周回を浪費してしまいます。
加えて、例えば、十分なベストラップでの走行中に、コーナリングのアプローチで大きくミスしてオーバーランしたのにラップタイムが変わらない、とか前走者に追いついてしまうとかの経験ありませんか?
これは立ち上がりをもっと早く走れるということの裏付けです。
そしてサブプロダクト的には、フロントタイヤに仕事させた方がいいのか、フリクションロスを少なく立ち上がったほうがいいのかとかを、十分比較して決めたラインである確信がないのなら、一旦白紙に戻したほうがよいでしょう。 -
コースにクリップしたら、それは大失敗
インでもアウトでもピッタリクリップしたらそれを「大成功」と勘違いして、それ以上の旋回や、アクセルのワイドオープンなどのトライをやめてしまうからです。
そのラインには明らかに未来はありません。
そしてサブプロダクト的には、
その本人曰くの「大成功」は「大失敗」で、その他のコーナリングが全て「大成功」と自信を持つこと。
クリップするラインは、良くても人と同等で、見ないもないのですが、それ以外のラインには、人より抜きん出る可能性を秘めているし、よりうまくなる可能性があるからです。
コースクリップは練習の仕上げか、予選・決勝中の神がかり的な集中力とやる気の表れのためにとっておきます。
普段の練習でクリップしなくても、バリエーションを蓄えることで、必要なら簡単にクリップできるようになっていることでしょう。 -
ブレーキングとコーナリングは常に満点
自身の行ったアクションは、よっぽどの手抜きでなければ、自分の表現としては満点以外の何物でもないはずです。
「実力を出せなかった」は間違いで「それが実力」なことから逃げてはいけません。
サブプロダクトは、「いつでも自分は悪くない」と心底思いこむことです。
走る前のプロダクトとサブプロダクトはこんなかんじです。

いつでも好きなラインを通れるとは限りません。
練習法
実際には、サブプロダクトとして次のように普通に練習します。
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基本的に、以前よりオーバスピードで練習すること
決勝中にわざわざ通常より遅く走ることは少ないからです。
そしてインベタにならないためです。 -
明確にスタート地点を認識すること
「ここからスタート」と毎回言い聞かせます。
そうすると脳にその時の風景がインプットされ、
そうしないと、惰性に流されるからです。 -
ラインを見ないこと
もっと良いラインで走れるかもしれないからです。
そして、そもそもラインでは判断していなくて、風景で判断しているからです。
視線は可能であれば、遠くの固定物のほうが出来不出来を判断しやすいのとそのまま実践で使えます。 -
可能であれば、各アクションを個別べ試すこと
よく言われますよね。
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常にギリギリの走りをすること
手抜きからの脱却が肝心です。
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タイヤに合わせること
タイヤが一番効率的な走りを知ることは、速く走れることに加え、セッティングにもライディングにもブレがなくなるでしょう。
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パターンを沢山蓄えること
進入やコーナリングの出来不出来に関係なく、立ち上がりは満点にできるようにしておくことです。
そしてそれが、タイムロスの回避や、ブロックやパッシングにつながります。
実践法
上記を踏まえて練習します。
実際にやることは以前と特に変わったことはしません。
事前に十分やることを理解し、理解することでやることについて頭を使わなくて済む分、曲がること、加速することに専念できるようにしておきます。
通常は蓄えた知識と、経験の中で、ベストな走りを行います。
通常でない場合は、その場その場で、適当に走ります。
判断は、蓄えた、風景情報の中から、脳が自動(無意識)に選んでくれます。
通常でないとは、進入で誰かを抜いたとか、抜かれた後、あるいはミスをしたり、自分の走りたいラインに邪魔者がいる時の走りのことです。
転倒について
立ち上がりの転倒はブレーキングやコーナリングに比べ、転倒後にライン上にとどまる事が多いので、転倒した時の行動を決めておくことも大事です。
おしりを向けてその場に丸まることぐらいしか思いつきませんが……
立ち上がって逃げたほうがい良いのか、丸まった方が良いのかとかは、統計などに基づきMFJとかでガイドラインでも出して欲しいですね。
まとめ
今回だけでなく以前にも書いているので、結局長々書いてしまってます。
情報は沢山入手するにしても最終的には、高望みせずに、シンプルに実践できることでまとめておくとよいでしょう。
その他については情報が散らばっているので関連の「立ち上がり」も御覧ください。
キース・コードの書籍に否定的なように書いていたりしますがそうではありません。
実際の記事に加え、考え方と、目の付け所など役に立つことだらけなので、一読をおすすめします。
以上 キース・コード的立ち上がり RR 〉 立ち上がり でした。
※
紹介したいところですが、内容が濃すぎるので一括カットですいません。



















