「進入リアスライド乗り」から「スペンサー乗り風」へ #1(RR>ハングオン>倒し込み)
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「進入リアスライド」ではなく、街乗りでも使える「スペンサー乗り風」を紹介します。
だって、街乗りで使えないテクニックやデバイスを披露されても面白くないでしょう。
「進入リアスライド」は、たとえできるとしても使える場面がピンポイントすぎるし、
峠や交差点でリアタイヤをズリズリされても、見てる方が怖いでしょう。
最初にお断りしておきますが、
「スペンサー乗り」ではなく、「スペンサー乗り風」ですからね。
「新スペンサー乗り」でもありません。
新スペンサー乗りはフロントタイヤズリズリなのです。
スペンサー乗り風を最新デバイスと組み合わせると新スペンサー乗りです。
スペンサー乗り風として紹介する場面は、「倒し込みからフルバンクに至るまで」のみです。
オートバイの醍醐味というかキモなので、この場面だけで十分でしょう。
もちろん、結局のところ、ただのハングオンです。
世のライダーが「スペンサーの走法は謎だ」というのなら、
それは「基礎からやり直せ」ということでもあります。
世のスーパーテクニックがそうであるように、その正体は基本の積み重ねです。
「古臭い昔のライディング手法を持ち出してきたなあ」と思われるのも心外なので、昨今のレース事情をかんがみ、
一観客として不満たらたらなことと、今だからこそ「スペンサー乗り風」なことを説明してみます。
トラクションマジックと呼ばれるブリヂストンのフロントタイヤと、
長時間持たないエッジグリップは、まさしくホンダ向けとしか言いようがありません。
「ポイント・アンド・シュート」と呼ばれるホンダ(ライダー、マシン)特有のV型コーナリングに特化されているのです。
マルケスにしろ、ペドロサやロッシにしろ、ピンポイントで旋回することにより、安全性とタイヤの寿命と勝利(の一因)を確保しているのです。
一般ライダーに「魅力あるオートバイ」として人気のある、ドゥカティやヤマハには考え及ばない策略です。
これでは「職人」ライダーのホルヘ・ロレンソに勝機などありはしないのです。
ホンダのマシンに特化しているのではなく、他メーカー(コンストラクター)やいわゆるオートバイのライダーは、
できる限り「こんな乗り方はしたくない」のかもしれません。
「コーナリング」で敵を倒すことが勝利であって、たとえゆっくり回ることに勝機があったとしても、
それはライダーとしての敗北と思っているのではないでしょうか。
このユニットが強いのはわかったとしても、観客(私)が見たいのは「強いライダー」です。
ブリヂストンは、というかタイヤメーカーは、ワンメークの時こそグリップを下げてでも公平なタイヤの供給をアピールする場面だと思います。
これでは「非力なマシンで、武装したマシンと戦う正義のヒーロー、さて悪役は?」です。
それに、進入時にテールスライドさせる「進入リアスライド」は、進入時の効果的な角加速度をもたらすのに一役買っていますが、これは圧倒的なスピードと減速力によりスライドすることが前提です。
グリップ走行時や、低速走行時にはイマイチ使いづらいことでしょう。
それに比べスペンサー乗り風では、エネルギーや慣性やタイミングをドンピシャでできる必要があります。
技術力は要求されますが、ライディングについてより理解を深めることができ。
さらにドンピシャなタイミングでライディングできるということは、
今回の倒し込みに限らず、多方面で路面とタイヤにやさしい安全なライディングにも貢献するのではと思っています。
ということで、かつて、非力なマシンで圧倒的な勝ち星をあげた天才フレディ・スペンサー。
彼の芸術的なコーナリング(倒し込み)を手中に収めましょう。
スペンサー乗り風の方法
必要なテクニックは、次の通り
- ウェイン・レイニー、エディ・ローソンの華麗な進入アプローチ
- S字の切り返し時の、腰の伸身・屈伸
- スケボーのチック・タック、パワースライド
- 切り返しの角加速度を打ち消す向心力
- セナ手
- このサイトで紹介している「直角曲り」
まず最初にこの画像、シュワンツやローソンのこの体勢をまずは真似します。
ブレーキング中の良い画像が見つからなかったのですが、何となくイメージできるでしょう。
とにかくブレーキング中の体勢とします。
そしてこの体勢の後、
一気に全部の荷重ポイントで、全力脱力(抜重)します。
曲がるとか、曲がらないとか、体勢が崩れるとか気にしないで、まずは脱力してみます。
もちろん危険がない程度にです。
脱力するタイミングで、その挙動は異なると思いますのでいろいろ試しましょう。
慣れてきたら脱力を脱力ではなく抜重と認識し直します。
そして抜重後の着地フォームを決めてみます。
着地の定義は、着地後にそのまま何とか走れるというのが条件です。
目的は着地のフォームの美しさではなく、
「抜重から着地までに、どれだけの時間を確保できるか」です。
一気に抜重から、徐々に抜重まで試します。
直線からフルブレーキに移るときの体勢でもこの時間が変化するので、いろいろ試してみましょう。
合わせてS字等の切り返しを腰を柔らかくして行う練習をしましょう。
サーキットだと固くなりがちなので、ジムカーナがよいでしょう。
ダートトラックの倒し込みに腰を使う方法でもよいです。
腰をクネクネ柔らかくしておきましょう。
今回はここまで。
それでは、次回をお楽しみください。

ジョン・コシンスキーは、メリハリがありとても教科書的なわかりやすいライディングです。





















