オートバイにおけるグーフィースタンス (タイムロスの回避方法)
レギュラースタンスのマイク・ドゥーハン。
グーフィースタンスのノリック・阿部。
スキーの大回転のようなフレディー・スペンサー。
そして四つん這いの昨今のライダー(マルク・マルケスとか…)
模範とすべきは誰?
同じバランス競技のサーフィン、スノボー、スケボーを思いおこしてみましょう。
進行方向に対し横向きなスタンスが特徴ですね。
このサーフィンで、正面向き、というか四つん這いでライディングしたら……こんなかんじになります。
https://www.youtube.com/watch?v=U8pf02WB45Y
スラロームしたかったら舵が必要ですね。
これを笑ってはいけません。
この映像とオートバイのロードレース。似てませんか?
オートバイは左右対称構造な乗り物である!
オートバイは必ず舵が必要!
と思ってはいけないということです。
右側ステップの取り付け位置がハーレー並みに前方についていても速く走れればよしなはずです(グーフィーの場合)。
片側に複数取り付けて、コーナーの向きで使い分けたって良いですよね?
同様に前後にもポジションという概念を持つことも必要ということもです。
「正しいポジション」のキーワードとしては、
イチロー選手で有名な「アクシスローテーション」とか「ニュートラルスタンス」とかとか。
そもそも左右のハンドルやステップ、それぞれ役目が違うので対称なフォームには無理があります。
そして忘れてならないのが心臓の位置です。
痛い思いを沢山経験した方々はお分かりと思いますが、無意識に心臓を守るようなフォームとなっていることと思います。
見た目グーフィースタンスな感じですね。
競技人生を意識するのであればグーフィースタンスを基本としてみると良いでしょう。
そういう視点で、左右のフォームの違いを観察してみると面白いかもしれません(チキン具合とか)。
特に面白いのは、スペンサーの足(くるぶしというか)の角度!
左右対称のように見えるスペンサーでも、実は思いっきり横向きを意識したライディングをしています。
この足の角度だけで「前乗り・後乗り」とか「バイクを投げ出したい」とか「加速(G)に備える」とかの意志が見えます※。
さて、
肝心の、『雪道の走り方(歩き方)』でふれたタイムアップの方法です。
タイムアップしたいときに最初にすることは「さらなる無理」では無く、余計なムダを取ることです。
それぞれ得意なコーナーとか得意な走法とかがあると思います。
その得意な方の手順を、単純に対する苦手な方面に適応してしまうのは止めましょうというのが今回の意図です。
なぜなら、返って得意な方がしぼんでしまうのをよく目にすることと、時間的に非効率など、多数のデメリットが目につくからです。
それよりは得意な方の手順、状態を詳しく観察、分類し、その得意な手法を活かして反対面でも有利なようにできる、新たな使い道を考えてみましょう。
例えば左足がトリガーだったら全ての操作を左足で行ってみようということです。
「誰にも負けないトップレベルの左足」を右脚にも求めるのは博打です。
「右側でも」と思うのではなく「左コーナーのトリガーは左足でステップを押す」ことだったら「右コーナーのトリガーは左足のステップを引く」とかにしてみることです。
これならタイミング的には左右対称になるし、成果の判断も単純にできるようになるでしょう。
使っている筋力を更に力強くすることよりは、今まで使っていなかった筋肉を鍛える方が簡単です。
世間ではよく功をなした優れたライダーに対し、得意な走法を左右均等に行えるようにとか、得意な走法のデメリットをわざわざ引き合いに出し理想的な走法へスイッチするとかの試みがされます。
通常この善意から始める提案は、より権威のある方々や、恩義のある方々からで、避けがたいものでもあります。
これは悪習であり、ぜひとも回避すべきです。
ただしその方々の提案は善意からなので責めてはいけません。
では自力で回避すべきかというと、これはこれでスランプに陥ることもありますね。
ひとえに周囲のスタッフが賢くなり、賢く振る舞って欲しいところです。
秀でたテクニックは本人のみのテクニックであり、秀でたテクニックの持ち主でも他の秀でたテクニックの持ち主を正しく解釈も評価もできるととは限らないということも認識すべきです。
提案する前に唯一無二の秀でたテクニックに最大限の敬意をはらい尊重することが必要です。
オートバイそのものに関しても、「左右対称であるべき」は技術屋に取っては常識であり標準です。
最終的にはかならずこちらの方向に収束しがちです。
そう考えると、
彗星の如く現れるスーパーライダーが水仙の如くしぼんでしまうのは技術陣の思い上がりのセイにほかならない! かも知れません。
バランス競技は「アンバランスだから面白い」という観る側の都合も考えてください。
軽くて小ぶりな子がバランスよく乗っているだけのレースではなく、
豪快でパワフルな「世界最高峰のレース」と呼ぶにふさわしくなって欲しいぞ! と。
では
※もちろん妄想です























