ハンドル操作と転倒率
ハンドル操作と転倒率
マシンのセッティングをするにあたり、たとえば手放しでも操縦?できるようなセッティングが望ましいとは限りません。
何かをするときには、何らかの目的なり希望なりがあるはずで、それに向けたセッティングでなければなりません。
前回までで述べたフロントスライドを実際に試してみると、ハンドルに手を添えているだけでは思うように動いてはくれないということがわかります。
そして実際には思っていた以上にハンドル操作をしている事にも気がつきます。
そのハンドル操作は、いつでもどこでも正しく、効果的に働いているでしょうか?
もしかしたら、転ばなくても済むものをわざわざ転ばしてはしまっていないでしょうか。
マシンセッティングをする際のハンドル操作
ここでいきなりライディングそのものを語っても片手落ちです。
やはりマシンに合わせたライディングであり、まずはどのようなマシンかを探る必要があります。
探るにしても、いきなり自分の好き勝手にライディングして、思い通りにならない点をマシンの特性としてあげるという方法もありますが、それよりもとりあえずセッティングされたマシンの状態と、その状態の持っているポテンシャルとかポリシーとか意思とかを感じ取ることのほうが効率的で、友好的でしょう。
マシンをセッティングする際には、まずは現状把握、そして対策、確認、対策・・・と地道に続けるほうが近道です。
まずは現状把握、引き続きマシンセッティングのためのライディングです。
マシン特性の測り方
自分なりの普段通りのライディングを行い「このマシンは切れ込むとか、コーナーで落ち着かない」とかいうインプレというのは一旦NGです。
理由は自分のライディングが何をしでかしているか完全には理解していないという前提からです。
それに思い通りに仕上がったマシンが必ずしもベストな状態とも限らないからです。
そこで最初に行うことは「マシンのニュートラルを探す」ということです。
まずは手放しで乗れるようなバンク角速度なりライディングフォームなり、ブレーキング、アクセレ―ションなどを探ります。
出来ればダンパー類は最弱な状態が望ましいでしょう。
これはやってみると割と短時間でニュートラルポイントを見つけることができるとおもいます。
そしてそれは当然のごとく次元の低い走りになっていると思います。
次に、いつも通りの走りをしてみます。
この差分が、いわゆるライディングです。
この差分をマシンセッティングを行うことでいつも通りの走りになるかどうかを調整してみます。
これでマシンのニュートラル値が若干現実的な方向に振られたことになります。
これを繰り返すと、ライディングのマシンセッティングに対しての数値化と、セッティングの特性のライディング化を行えます。
マシンのセッティングのうち低次元な基本的なところはこれでセットアップ出来たり情報を入手できたりします。
こうして、ニュートラルなマシンに対して操作することのメリットは、違いが分かりやすいということです。
例えば切れ込みが強い特性のマシンに対して、突出しとかを少々変えたとしてもその変化はあまり感じられなかったりすることでしょう。
なぜなら、その変更が必ずしも適切でなかったり、既に何らかの影響を及ぼしていて、それをライダーが感じ取れなかったり逆に無意識に抑えていたりすることもあるからです。
これがニュートラルな状態に対してであれば、挙動の違いやライディングの差分がわかりやすいと思えるからです。
ここまで来ると、マシンの特性はもちろんのこと、自分のライディングの方法によっても、マシンの挙動が変わってくることが理解できて、そしてそれは転倒率にも違いが出てくるのではないかということが想像できます。
マシンセッティングの目的にもいろいろありますが、タイムアップや持久力や燃費以外にも、転倒率を下げるという目的でもマシンセッティング、すなわちライディングをセットアップすることも含まれます。
やっと
リーンウィズとハングオフとリーンアウトの転倒率 です。
といっても物理的なジオメトリーの話ではなくライディングとして、それもステアリング操作に限る、転倒率への影響です。
そして内容はというと(すでにどこかで書いたような気がしますが)あて舵の仕方です。
あて舵の仕方による転倒率の傾向という感じです。
あて舵の仕方による転倒率の傾向と対策
結局のところマシンは、ステアリング操作をしなければいけなくて、ステアリング操作というより二輪の場合あて舵といったほうが直観的でしょう。
ステアリングの種類
見た目の操作は次のように分類できます
押す
引く
固持する
ゆする
回す
何もしない
上記に加え、
止める
外乱
などなど。
これらの操作の特長を次の3っで分類することができます
前処理
本処理
後処理
この特性により、ステアリング操作以外の部分に思わぬ影響があったりするというのが、今回の長々の趣旨です。
この特性を踏まえたうえでライディングフォームなりの制約を加えてステアリング操作として、それぞれを認識し、使い分けると幸せになれるかもということです。
そしてもう一つ、あて舵の操作 をするにしても、ライダーはそれだけをやれば済むわけではなく、色々と複合的な操作を行っているはずです。
その、ありとあらゆる操作を良く観察し、知らず知らずに影響を与えている事。また意図的に影響を与える操作にすることができるかを確認しておくことが重要です。
それらを理解すれば通常行っている動作をうまく活用すること、また弱点があればそれを理解し補正することも可能になります
例えばリーンウィズ。
リーンウィズの特長
リーンウィズの特長は何と言っても、前処理が必要で、時間も力も要す傾向にあることです。
その割に本処理にも効果的でなかったりします。
そして後処理も必要な場合が多いことが上げられます。
そもそも動きが少ないので、何らかの動作をするときには、必ずその準備が必要になってしまうという残念な特性が付きまといます。
これはジャストなタイミングより前にアプローチを行うことが要求されたり、処理そのものが反動をつけたものになりやすく細かい操作というよりは大雑把な操作になりやすいといえるのことです。
加えてリーンウィズの一番の欠点は形が固定されているというか、元に戻らなきゃいけないという意味不明な動作がセットです。
既にどこかに書いたことのような気がしてきたので以下省略です(気が向いたら追記します)。
ハングオンもリーンアウトもそれぞれ一長一短ですが、その短所を別の目的に活用することでめり十に替えることは可能です。
そして全長になればより効率が良い走りになり、それを称してスムーズな走りとか呼ばれるのではないかと思います。
(伝わらないかん満載なのでそのうち丁寧な説明に書きなおします)

なんと、ロッシが大事な場面で転倒したというのは、あのヘイデンが逆転チャンピオンになった最終戦以来だとか。 もてぎに展示されていたのはチャンピオンマシンでした(5/27-28)。
















